Almacには、原薬、医薬品、医療機器、生物製剤などのリリース試験に関する幅広い専門知識があります。また、当社は高活性の規制薬品を取り扱いも可能です。
リリース試験には、製品の純度、濃度、一貫性、同一性および安全性を確保するための様々な試験が含まれます。通常の試験は、外観、アッセイおよび不純物、溶解性、微生物試験で構成されます。規格外またはトレンド外による反復試験を最小限に抑えるためには、製品の安全性と完全性および再現性を確保する関連メソッドが堅牢であることが不可欠です。
リリース試験だけではなく、メソッド開発とバリデーションも行っており、しばしばお客様や第三者機関からの技術移転も行います。また、社内メソッドの広範なライブラリーがあり、薬局方メソッドの使用経験も豊富です。当社は日常的にNCEに取り組み、ICHガイドラインに沿った規格を設定しています。
通常のリリース試験方法には以下が含まれます。
U(H)PLC
U(H)PLC – 超(高)高速液体クロマトグラフィー検査は、製薬業界で最も広く使用されている分析技術です。U(H)PLCは柔軟で信頼性が高く、複数の製品タイプおよび用量に適応可能です。
この手法は、化合物のアッセイ値(純度)、存在する不純物の性質や濃度の決定に役立ちます。これらの手法は、安定性データを裏付けるために製品の分解をモニタリングするためにも使用できます。U(H)PLCは強力な技術であり、MSとMS/MS検出器と併せてタンデムに使用でき、様々な薬剤の完全な特性評価を行うことが可能です。
Almacは、Agilent社とWaters社製の以下のような一連の検出器を備えたUPLCとHPLCの装置を組み合せることで、U(H)PLC試験において大きな能力を発揮します。
- 可視紫外線(UV)
- 屈折率(RI)
- 蛍光強度(Fl)
- 蒸発光散乱検出器(ELSD)
- 荷電化粒子検出器(CAD)
- トリプル四重極型質量分析計(MS-TQ)
- 四重極飛行時間型質量分析計(MS-QTOF)
当社には、低分子API、医薬品、ペプチドおよびペプチドカクテル、生物製剤の複雑なメソッド開発に関する専門知識があります。
NMR検査によるID試験
核磁気共鳴(NMR)検査は、医薬品開発における強力なツールです。分子構造情報を作製することにより、不純物やその他の物質を特定し、確認することができます。この手法は生物学的製剤の開発でも広く使用されています。NMRは、有機化合物の同一性を主に確認または解明するために用いられる迅速で簡単な手法です。また、適切な参照標準物質がない場合に効力値を判定する際にも有用です。
Almacは2台のGMP NMR機器(400 MHzおよび500 MHz)を所有しており、低分子化合物やペプチドの完全な構造解明が可能です。当社は最近、最先端の広帯域クライオプローブに投資しました。クライオプローブでは常温プローブに比べ感度が向上し、1Hと19F、そして15N-31Pの共鳴周波数範囲のNMR活性核を観測することができます。また、様々な2D NMR機能と高度な2Dトレーニングを受けた技術チームがデータの解釈をサポートします。
NMRによるID試験だけではなく、化合物の分析においてqNMRをサポートし、これらのメソッド開発とバリデーションの経験もあります。
残留溶媒分析
残留溶媒分析は、製造工程で残留した溶媒の痕跡を特定するために実施されます。この手法は、製品の純度と安全性を確保するために重要です。
製品の安全性を確保するため、残留溶媒は低ppmレベルまで検出しなければなりません。必要な精査のレベルは、製造工程や使用する溶媒クラスによって異なります。当社のチームには、NCEの社内製造をサポートしているため、ICHガイドラインに従ってクラス1、2、3の溶剤の仕様を設定してきた豊富な経験があります。当ラボでは、必要に応じてダイレクトインジェクションGCやヘッドスペースGCの柔軟な使用が可能です。
溶出試験
医薬品の溶出試験は規制要件となっており、品質管理および開発の目的で、バッチ間の一貫性を確保するため、製品リリースおよび安定性試験のために定期的に実施されています。
Almacは、USP装置1(バスケット)および2(パドル)を用いた錠剤、カプセル、ソフトカプセルを含む様々な製剤組成の溶出試験をサポートしています。オーバーカプセル化製剤については、比較溶出試験を定期的に実施しています。必要に応じて崩壊試験もサポートします。
含水量分析
含水量分析は、品質管理の目的で医薬品開発ライフサイクル全体を通じて必須の検査要素です。水分含有量のレベルは、開発の全段階および最終製品内のほぼすべての物質と材料の物理的性質、品質に重大な影響を及ぼす可能性があります。水分含有量が高いと薬剤の分解が速くなることもあるため、慎重にモニタリング、管理する必要があります。
Almacでは、カールフィッシャー試験法による水分測定を実施しています。
- 容量測定
- 電量測定
- ストロンボリオーブン
また、当社のフィジカル・サイエンス・チームでは、検体の吸湿性や様々な水和物の形成についても調査することが可能です。結晶化チームは、埋め込まれている水分の結晶構造を深く探り、頑健で再現性のある結晶形成を保証する新しい結晶化方法を開発することができます。
技術移転
分析メソッドの技術移転は、2つ以上のラボ施設間で実施されます。これは、別のラボが開発した分析メソッドを、新たなラボ施設が使用する際の適格性を判断するプロセスを文書化したものです。これには、異なる会社組織のラボ施設間、または同じ会社の組織内の2つのラボ施設間で行われる場合があります。
正式な分析メソッドの技術移転では検査プロセスを合理化し、新たなラボ施設で分析メソッドが効率的に機能し、結果の逸脱が最小限に抑えられるようにします。供給の継続性を確保するため、複数の試験施設で検証済みの分析法が利用可能であることが重要です。
Almacは、市販薬の継続性を保護するための緊急時ラボとしても機能します。
微生物試験
微生物試験:医薬品、バイオ医薬品、生物製剤および医療機器は、最も厳格なcGMP要件に従って製造する必要があり、遵守を示すために慎重に設計されたリリース試験パッケージが必須です。微生物試験により、原材料、中間体、最終製品などの微生物や毒素に関する知識と理解が得られます。微生物学的検査の目的は、医薬品やヘルスケア用製剤および医療機器の安全な製造を保証することであり、これにはリスクアセスメント分析と環境モニタリングが含まれます。
治験薬供給サポート
治験薬の供給:臨床試験で薬剤を使用する前に、その安全性と有効性を確保するため、多くの場合、既に提供されている標準治療と比較した詳細な分析試験を実施する必要があります。Almacは、英国、欧州および米国に完全に統合された施設を保有し、治験資材の製造や分析サポートを提供する能力において比類のない存在であると自負しています。
薬局方/原材料の分析
原材料試験は、医薬品の製剤化に使用される全成分が、必要な規格と要件を完全に満たすことを保証するために不可欠な手順です。
当社は、薬局方モノグラフおよび治験依頼者の手法に従い、適切な基準に準拠して、原材料、API、添加剤および製剤のGMP試験を実施します。
当社の科学者は10年以上の経験を有し、欧州薬局方(EP)、米国薬局方(USP)、英国薬局方(BP)、日本薬局方(JP)を含む様々な薬局方のメソッドに関する詳細な知識を持っているため、薬局方試験に特化したサポートを提供することができます。
フル装備の分析機器システムにより、薬局方に関するすべてのモノグラフを網羅する化学物理的分析を行うことができます。
Almacは、モノグラフ試験に加えて、新たなメソッドとバリデーション法の開発、またはクライアントからの既存の技術移転を実施可能です。QC部門と協力して、信頼性の高い検査結果を迅速に提供します。
N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)などの不純物は、ヒト発がん物質である可能性が高いため、米国FDA、EMAおよびその他の規制当局により懸念される領域として特に注意を促されています。当社は規制ガイダンスに応え、質量分析ラボでNDMA濃度および関連する不純物を検出するための薬物検査を提供しています。当社の専門家チームは、FDAメソッドFY20-006-DPA-S_LCMSMS 10/17/2019に従って、多くの原薬および最終製品についてNDMAの濃度を確定する試験を実施し、成功を収めています。詳細については、論文をお読みください。
参照標準物質の管理
参照標準物質は、分析サポートのあらゆる段階の医薬品開発において重要な要素です。通常の参照標準物質の管理には、特性評価、有効期限、再認証、保管/物流などの技術が含まれます。医薬品開発プロセスに遅延が生じないようにするには、包括的な参照標準物質管理プログラムが不可欠です。
Almacは、英国、欧州、米国の分析ラボで、さまざまな保管条件下で2000を超える参照標準物質のカタログを管理しています。
高度に組織化された熟練チームが、迅速な再認証を可能にします。また、当社の原薬や製剤の参照標準物質および副分解生成物を製造できる合成化学グループを通じて、在庫が不足した場合の参照標準物質の再供給も管理しています。これは、製造業者から提供される母液もしくは濃縮廃液から完全に合成、または分離することにより行うことが可能です。当社には、この分野のベストプラクティスについての豊富な知識があり、15年を上回る大手製薬会社パートナーの標準ポートフォリオを管理してきました。
全参照標準物質の管理
クオリフィケーション
各標準物質は、使用前に認定されている必要があります。これには、副分解生成物のバッチ分取、精製および単離を含む、化合物の特性と純度を示すための一連の分析が含まれます。単離時には、構造と純度を確認するために特性評価(通常はクロマトグラフィーおよび分光測定の両方を用いた直交法による)が必要です。適格性評価の一環として、各標準物質について有効期間および再検査日の詳細を含む規格が発行されます。
保管
参照標準物質は通常、分解を防ぐために管理された条件下で保管します。化合物の性質によっては、常温、冷蔵または冷凍で管理可能です。温度だけでなく、保管条件には酸素、空気または水への曝露に関する制限があり、各標準物質には特定の保管指示書が添付されます。
分取
標準物質は通常、複数の異なる関係者によって少量で使用されます。例えば、原薬製造業者と医薬品製造業者の両方がアクセスを必要とし、大量に生産される市販薬の場合、世界中でそれぞれ複数のサプライヤーが存在する可能性があります。通常、標準物質はサプライヤーに一括供給され、そこで小型バイアルに分注され、それらを必要とする施設と共有されます。標準物質の有効期限が切れると使用できなくなるため、このバイアルへの分注により廃棄を防ぐことができます。
出荷
標準物質が分注されたら、適切な施設に発送する必要があります。この発送作業には、バイアルが確実に適時に受領されるためのGMP書類(分析証明書およびカスタムフォームを含む)の準備も含まれます。これらの標準物質の配置は、ベンダーが異なる大陸に広がっている場合に特に重要となります。
再認証
標準物質の性質によっては、年1回または2~3年ごとに再認証が必要となる場合があります。Almacのラボ管理システムでは、有効期限、在庫および在庫レベルを追跡し、標準物質が常に使用可能であることを確認できます。
Almacのラボには、お客様に代わって参照標準物質プログラムの完全な管理を行うリソースと能力があります。当社は、この分野では20年を上回る経験があり、多くの主要パートナーと長期にわたる関係を築いています。Almacの柔軟なアプローチにより、参照標準物質プログラムのパートナーとして選ばれています。