放射性医薬品前駆体
放射性医薬品は、放射性同位元素を含む特殊な医薬品であり、体内の特定の細胞を標的とすることで、様々な疾患、特にがんの診断や治療に用いられています。
放射性同位元素で標識されたペプチドは、がんの診断や治療において有用性が増しています。腫瘍標的ペプチドは、画像検査のための68Ga(診断薬)または治療のための177Lu/225Ac/212Pb(治療薬)などの放射性核種と組み合わせることができます。これらのペプチドの多くは、「セラノスティクス」の概念につながるどちらのアプローチにも使用可能です。
Almacは、ペプチド放射性医薬品を最初のコンセプトからfirst-in-human試験、そして臨床使用へと進む開発におけるすべての必要なステップを熟知しています。当社では、フェーズ0からプロセスバリデーションまで進行中のプログラムがあり、2023年に上市の放射性医薬品をサポートしました。
ペプチドは、セラノスティック応用のベクターとして独自のベネフィットを提供します。
- 多くの場合、腫瘍は健康な組織に比べてペプチド受容体を過剰発現しています。
- また、腫瘍ペプチドの取り込みは抗体に比べて迅速で、受容体に結合するとしばしば細胞内移行し、標的部位で高濃度の放射性核種となります。
- 従来の薬剤とは異なり、細胞内への取り込みは標的分子の絶対的要件ではありません。非細胞内移行アンタゴニストは、細胞外に結合した状態で画像検査または治療にその効果を発揮できます。
- 非結合ペプチドは腎臓を介して容易に排泄され、抗体と比較して、治療において画像品質(造影剤)が改善し、標的外毒性が低下します。
- ペプチドは自動固相ペプチド合成法を用いて日常的に合成され、放射性同位体標識に必要な厳しい条件(低pH、高温)に耐えることができます。
- ペプチドは、in vivoでの半減期を延長させるために、非天然アミノ酸の組み込み、環化、PEG化などの修飾が可能です。
- 決定的に重要な点は、結合活性、PK分布およびクリアランスプロファイルを微調整し、様々ながん疾患の目標に対して様々な放射性金属に対応するために、ペプチド構造内の事実上どの位置にも、様々な金属キレート剤の組み込みが可能なことです。

分析サポート
AlmacのICP-MSチームは、創薬から臨床使用に至るまで放射性医薬品開発をサポートします。当社は40人年を超える経験があり、ppb未満レベルまでの感度を持つ微量金属分析法の開発に取り組んできました。
Almacは、お客様のGMP開発プログラムと早期発見の取り組みをもサポートします。実際、リード化合物の選択段階では、組織(in vivo)または細胞(in vitro)抽出物を分析する焦点を絞ったICP-MS法が、金属生体内分布試験に多大なベネフィットをもたらす可能性があります。非臨床段階におけるリード分子のコールドメタルアナログの生体内分布試験は、より費用対効果の高いアプローチであり、通常は、AlmacのICP-MSチーム(リード化合物の放射性化合物を使用)よりも迅速です。
専任の専門家チームは、独立したサービスとして、または当社の化学チームとの統合プログラムとして、お客様と共にプロジェクトを進めます。
Almacを選ぶ理由
Almacペプチドチームは、1994年以来、北アイルランドのクレイガヴォンおよびスコットランドのエディンバラにある英国拠点で、ペプチド製造、分析、技術的プロジェクトリーダーシップにおいて500人年を超える経験があり、お客様にペプチド合成ソリューションを提供してきました。当社の事業は高度に規制されているため、当社施設はペプチド製造活動に対して適切なライセンスを取得しており、英国(MHRA)および米国(FDA)の規制当局による監査を受けています。
Almacのカスタム合成チームは、ペプチドとペプチド複合体の製造に優れており、ミリグラムからグラム単位までの研究開発プロジェクトをサポートします。当社の専門家は今まで何万もの構造を扱った実績があり、お客様の創薬、リード最適化、ルートスカウティングをサポートする個別化ペプチドの要件、ならびに不純物および標準物質の合成を通じた分析およびプロセス開発への対応が可能です。
当社独自のハイスループット小規模cGMPペプチド施設では、選択した候補ペプチドをミリグラムからグラム単位で提供し、短期間でフェーズ0およびフェーズ1に迅速にアクセスできるようにします。このアプローチは、特に小規模な臨床試験や画像検査のように少量で済む分野では、first-in-humanへの応用のための迅速かつ費用対効果の高いソリューションとなっています。